ゆりあさん、皆さん、こんにちは。
以前にも「淵となりぬ」が私にとって木原先生作品中ナンバー1だと書き込ませていただきまして、今回は図々しくも理由など、この熱い思い(笑)にまかせて綴らせていただきます。
「淵となりぬ」がなぜ大好きなのか――私がかの作品にこれほど惹かれるのは、お話の根底に思い(やり)があふれているからだと思います。このお話の中で、主要な登場人物は皆お互いを思いやっている気がします。自分のことよりも、他人のことを思って行動してしまう……嫉妬したり、ネガティブな感情を相手に持つこともあるけれど、けれど、お互いを憎みきれない、そんな印象を「淵となりぬ」には持ちました。この印象は「摩利と新吾」からも受けたのですが、さらに昇華された、哀しい優しさとでもいうのでしょうか、何か澄みきって切ないような読後感でした。こういう優しさって、今の創作はもちろん、実生活にも欠けている気がしませんか? それと、木原先生の最後の最後の〆の言葉が胸に染みました。まったく共感!共鳴!です。ほんとうに、どこぞの小説のタイトルじゃないですが、「かぎりなく透明に近いブルー」という形容詞がぴったりな一編だと思います。
私的には恋愛よりも愛情にフォーカスした作品でした。
失礼しました!
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