摩利と新吾のホロスコープを作りたい (1)

さすがは少女漫画、主要キャラクターの太陽宮(註1)がきちんと設定されている。
摩利に至っては、「きっとおれの上昇宮はみずがめ座にちがいない」なんて独白まで あったりする。(註2)
そんな記述を見てしまうと、つい職業病で血が騒ぐ。魂が叫ぶ。

摩利と新吾のホロスコープを作ってみたいっっっ!!!!

で、難行、苦行を承知で始めてしまうんですね・・・。一期は夢よ ただ狂へ
ん? って、それはそういう意味じゃないでしょ!

(註1)『花の桜豪寮生名簿』 収録:白泉社文庫2,P281〜、花とゆめコミックス4,P129〜、 角川全集16, P243〜
(註2)『摩利と新吾』 収録:白泉社文庫3,P31、花とゆめコミックス5,P29、角川全集17,P29

1,まず、所与の条件の確認

摩利が射手座で、新吾が牡羊座と設定されていて(註1 参照)、なおかつ、 摩利の方が4ヶ月年上とされている。(註3)
従って、摩利は11月生まれの射手座、新吾は3月生まれの牡羊座である。(註4)
更には、明治45年3月の時点で新吾がもうすぐ18歳となっているので(註5)、 摩利が1893年11月生まれ、新吾が1894年3月生まれと確認できる。

(註3) 白泉社文庫6,P75、花とゆめコミックス10,P123、角川全集19,P307、あおい様、ご協力感謝です。
(註4) 11月下旬 〜12月中旬の生まれが射手座、3月下旬〜4月上旬の生まれが牡羊座
(註5) 白泉社文庫2,P294、花とゆめコミックス4,P141、角川全集16,P255

2,摩利の出生地の考察
マレーネは来日後、ドイツに里帰りすることなく病没しているらしい(註6)ので、 摩利も日本国内で生まれたものと推測される。
鷹塔一族は摩利の両親の国際結婚にはかなり強硬に反対していた(註7)ことから、 鷹塔一族の元に身を寄せての出産は考えにくい。
(註6) 白泉社文庫7,P177、花とゆめコミックス12,P175、角川全集21,P87
(註7) 白泉社文庫7,P189、花とゆめコミックス12,P187、角川全集21,P99

以上の状況を踏まえて、次の2つの可能性が考えられる。

★ 第一のケース ★
鷹塔家代々のお抱えの侍医の介添えで思音の自宅での出産。
この場合は、摩利のばあやがマレーネの身の回りの世話をしたと思われる。(註8)

鷹塔邸の所在地であるが、鷹塔思音の名刺には南麻布の住所が記されているものの(註9)、 それが自宅、オフィスどちらの住所であるかは不明である。
ただ、思音の秘書が鷹塔邸に頻繁に出入りしていること、また、摩利も 留学の打ち合わせなどで連日、秘書を尋ねたりしていることから、 オフィスと鷹塔邸は徒歩、人力車、路面電車で容易に行き来できる 距離にあると推測され、どちらにしても、帝都・東京府内であろう。(註10)


(註8)
マレーネの口調を懐かしむばあやの述懐もあることから、 二人の人間関係は緊密で良好だったと思われる。
白泉社文庫1,P175、花とゆめコミックス2,P7、角川全集15,P173
(註9)
白泉社文庫5,P110、花とゆめコミックス9,P16、角川全集19,P16
(註10) 東京都となるのは昭和18年から

★ 第二のケース ★
医師である印南 隼人の診療所もしくは自宅に身を寄せての出産。
この場合は、新吾の母・しずが自分も3月に初産を控えた身重の状態で マレーネの話し相手になって、身の回りの世話は、新吾のばあや、即ち、白菊丸の祖母が していたと思われる。
思音が仕事の都合上、マレーネの出産時に日本を離れていた場合にはこのパターンだったので はないか?

印南邸の所在地は具体的な地名は示されていないが、山の手にあり(註11)、 緊急時には馬をとばすものの(註12)、通常は、摩利も新吾も徒歩で往来していることから、 鷹塔邸へは徒歩圏の距離にあるらしい。
従って、やはり、帝都・東京府内にあるものと考える。
(註11) 白泉社文庫8,P59、花とゆめコミックス13,P163、角川全集21,P262
(註12) 白泉社文庫1,P202、花とゆめコミックス2,P34、角川全集15,P200
以上の理由から、摩利の出生地は東京府として計算する。

3,新吾の出生地の考察

新吾に関しては医師である父・隼人の診療所、若しくは、自宅である印南邸で生まれたとしたら、 摩利と同じく出生地は東京の山の手である。

もうひとつ考えられるのは、母・しずが実に戻って出産したケースである。

しずの出身地に付いては論及されていないが、隼人は新吾にしずとの出会いの時期を「帝大に入学した 19歳の時」と話しているらしいこと(註13)、また、隼人は思音に「内緒でおまえだけに紹介する!」 と言って、しずを引き合わせている(註14)ことから、新吾の両親は家同士の取り決めなどではなく、 何らかの出会いの後に恋愛、結婚へと至ったと推測される。

即ち、帝大生であった隼人と偶発的事情から出会い、更に交際を続けられる地理的条件が満たされて いたことを鑑みると、しずの実家も東京の山の手と考えるのが自然であろう。

従って、新吾の出生地も東京府として計算する。

(註13) 白泉社文庫3,P103、花とゆめコミックス5,P101、角川全集17,P101
(註14) 白泉社文庫6,P190、花とゆめコミックス11,P52、角川全集20,P98

4,試作

以上の条件を踏まえて二人のホロスコープを逆算してゆくわけですね。うっふっふ。
せっかく4ヶ月違いとなっているからには、二人の太陽をイグザクトのトライン(註15)に したいなんて、つぶやきながら、早速、試作。

(註15) 120度の調和角(ソフトアスペクト)を、きっちり一度違わずに作っていること。

1893年11月28日(火) 東京生まれ 1894年3月27日(火) 東京生まれ

いくつか試作したうち、摩利の金星と木星が120度を作っているものを 選びました。美貌、資産家など摩利を特徴づける重要な要素を象徴するので。
この2つのホロスコープを重ねると次のようになります。 二重円のうち、外側が摩利で内側が新吾です。

(1999.6.5 up)

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摩利と新吾のホロスコープを作りたい(2)

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