摩利と新吾のホロスコープを作りたい (2)

★ ネタバレご容赦です ★

予想以上におもしろいホロスコープが出来てしまった・・・。 この完成したホロスコープの内容を、 少女漫画大好きで、もちろん『摩利と新吾』を良く知っている占い師仲間たちに話したら、 とっても盛りあがったけれど、同時に、誰にもわかるように解説する難しさも話題に なりました。

で、一つ諦めました。この原稿に関しては「ネタバレ最小限」の自主規制をはずします。
摩利と新吾の関係に具体的に突っ込まないと、解説が抽象的で面白くありませんから。

という訳で、ぜひとも、まずは『摩利と新吾』を『ユンター・ムアリー』も含めてお読みくださいませ。
その上で、私の拙文にお付き合いいただけるととても嬉しく存じます。

それと、「摩利と新吾のホロスコープを作りたい(1)」をお読みくださった方から幾つか 御質問がありましたので、ここでお答えいたします。
★そもそも、ホロスコープってなに?
大変失礼しました。そうですよね、これがわからないとなんのこっちゃです。
ここで作っているのは正確には「ネイタル・ホロスコープ」と申しまして、「出生天球図」とも いわれるものです。文字どおり人が生まれた時の天体の所在地を図示したものです。

★何のために作っているの?
せっかくDOZIさまが星座を設定していらっしゃるのだから、なにか摩利と新吾の運勢傾向を読み取れるようなものが出てくるかなと思い立って、好奇心に駆られて衝動的に作業を始めてしまいました。
そのプロセスや成果のご報告を以下にさせていただきます。



1,太陽の位置と誕生日の設定

手始めに1893年11月生まれの射手座のホロスコープを、いくつか作ってみたら 愛と美をつかさどる金星と十大惑星の中で(註1)もっとも幸運の星である木星が、 お互いの長所を生かしあえる120度を形成するものがあることを発見。
実に摩利の美貌と華やかな女性関係にふさわしいとほくそえんで、 摩利の誕生日は金星と木星が正確に120度を形成する 1893年11月28日(火)と設定。
(註1) 西洋占星術では、太陽と月も惑星と言います。
そうすると摩利の太陽が射手座の6度になるので、太陽が牡羊座の6度に来る 1894年3月27日(火)新吾の誕生日とする。

一般に牡羊座・獅子座・射手座、牡牛座・乙女座・山羊座、 双子座・天秤座・水瓶座、蟹座・さそり座・うお座のそれぞれが相性が良いと 俗説されるのは太陽が120度を形成しやすいからというのがひとつの理由。(註2)
そうは言っても、ひとつの星座は30度から幅があるから、牡羊座の人の太陽と射手座の 人の太陽が120度になっているとは限らない。
また、プラスマイナス6度(から8度)の誤差は、 相性を読む際には120度として扱うが、やはり正確に120度を形成している方が 相互の影響力は大きい。
(註2) ここでは星座のエレメントなどの説明は割愛します。
しかし、摩利と新吾のように「二人で一対のお神酒徳利」と言われるくらいの 息の合い方や、摩利のみならず新吾も「二人でいると心地よい」と理屈抜きの 安心感がある関係であることから、二人の太陽は是非ともぴったり120度に しておきたいと考える。



2,摩利の上昇宮
上昇宮(じょうしょうきゅう)とは、人が生まれたその時に東の地平線にある 星座のことでアセンダントともいう。(註3)
太陽宮が自分の意志の本質をあらわすのに対して、生まれながらの性質や 資質をあらわし、その人の容貌を特徴づけるのがアセンダント。

(註3) 正確には、生まれた時の東の地平線と黄道の交点。
持堂院高校で3年生への進級時に寮の部屋替えで、摩利は自分から画策して初めて 新吾と別居した。
その時、摩利は「われながらうまい理屈をつけたもんだよ」と、表向きの 理由を思い返して、「おれの上昇宮はきっと水がめ座にちがいない」と独白している。
確かに、アセンダントが水瓶座だと自分の思惑を主張する時に 理屈で正当化する傾向があるので、その可能性も否定できない。
しかし、誕生日を上記の設定にすると摩利の場合は 自分の意思を表す太陽コミニュケーション能力を支配する水星が 誤差4度で重なっている(コンジャンクションしている)ので、摩利の“理論武装” はこちらで説明を付けたい。
アセンダントにはもっと多様な意味が含ませられるのですよ…。

試作した摩利のホロスコープを眺めて、時間設定を考えながら思ったこと。 結論から申しますと、 金星を上昇星にしたい! だって、愛と美の星・金星が東の地平線に上った瞬間に生まれてきたなんて、 いかにも摩利らしいと思いませんか?
以上の理由から、上昇点に金星が入る午前9時57分摩利の出生時間と特定、 従って摩利の上昇宮山羊座となる。



3,新吾の上昇宮

さて、新吾といえば「おひさま」がキーワード。
そうは言っても「おひさましょってる」ことに新吾本人は無意識で、 あくまで他人から見ての「おひさま」新吾。 だから、太陽MC(南中点)にあると設定してみたい。
今まさに昇り来たらんとする太陽より、地上に光を与えようなんて思っていなくて、 ただ、そこにいるだけなのにすべてを暖かく照らしてしまう太陽の方が 新吾らしいと思いませんか?

そうすると、新吾の出生時間午前11時45分となり、 アセンダント蟹座となる。
詳しくは後でご説明するとして、はからずも、いかにも新吾らしいアセンダントになる。



4,摩利のホロスコープ

1893年11月28日(火) 午前9時57分 東京生まれ


[ 解説 ]

* アセンダントは山羊座、そして上昇点に金星 *

とにかく金星が象徴することが人生のテーマになってゆきます。
それは恋愛、しかもプラトニックとは無縁な恋愛であり、芸術であり、 美貌であり…。
13歳にして、既に欧州の貴婦人や紳士を相手にひととおりの“学習”を 終えていた“ませガキ”だったくせに、生涯ただ一度の大恋愛を抱え込んで、結婚もせず、 本気にならないラヴ・アフェア(情事)を数え切れないくらい重ねた摩利そのままです。

山羊座には保守的で地味なイメージがあるかもしれません。 でもそれは、社会のルールから逸脱しないための方便であって、 社会の枠中ではきわめて野心的権勢欲も強く、 上昇志向を持っています。
摩利に、勉強から武道、スポーツまで何でもトップを目指して 地道に努力が出来る性格を、生まれながらに与えたのがアセンダント山羊座。
しかも、上昇星の金星が地道な努力を重ねることに美意識をもたらしています。

もうひとつ、アセンダント山羊座の大きな特色。これは全員と言うわけではない が、「アセンダントに山羊座を持って美形に生まれたら粒よりの美形になる」と 言われています。
摩利の美貌は粒より中の大粒。しかも、美の女神ビーナス(金星)の申し子。
新吾をして「めったにない美形」と言わせる摩利の美貌も納得。


* 第4ハウスの木星と上昇星 金星の120度 *

第4ハウス家庭運親族との人間関係をつかさどります。 幼い頃の両親からの影響や不動産運などです。
摩利の第4ハウスは牡牛座から始っているので、伝統ある家系に生まれ、 そこから才能や資産を引き継ぐことを暗示しています。
木星が第4ハウスにあると言うことは、家庭的に恵まれていることをあらわします。 特に、牡牛座にある木星なので現実的豊かさが特徴的です。 いかにも裕福な名門貴族の跡取り若様という感じ。

この木星と金星がお互いに良い影響を及ぼし合っています。金星情愛や芸術性木星発展の運気を与えられて、自分を美しく人に 見せる身だしなみや会話、社交的手腕となって現実的に役に立って、 世界的な貿易商という父・鷹塔伯爵の事業を継いで、 青年実業家としても大成功を収めています。


* 第10ハウスの太陽・水星の0度と第7ハウスの月との120度 *

第10ハウス社会的なステイタスをあらわします。 ここに太陽があると父親の影響を強く受けた人生になりやすい。 また、水星はビジネスを始め社会生活において知性が 大きな武器になることをあらわしています。
特に、太陽と水星がほぼ0度なので、 太陽が示す自分の意志を水星のコミニュケーション力で 社会生活に役立つ形で伝達する能力に優れています。

第7ハウスパートナーをはじめとする対人関係、特に親密な他人との 関係をあらわします。 即ち、結婚運にも大きく影響するハウスです。
男性のホロスコープでは妻をあらわすので、太陽と第7ハウスの月が 120度であれば本来は、良き妻に恵まれて家庭的にも安定する運勢のはずなのですが、 摩利の場合は、この月よりも上昇星である金星の方が強く働いたようです。

(それでも、摩利がささめちゃんとそれなりに安定した人間関係を作れて、取り敢えず 子供が出来たのは、恋愛やよろこびごと第5ハウスにある 海王星がその既成概念からの開放という作用で月に60度のソフトアスペクトで 安定感を与えたので、結婚形態へのこだわりを捨てられたためです)


* 土星と金星の90度 *

土星はその人の運勢で不安定な部分をあらわします。よく、土星が試練の星 と 言われるのは意識的な努力によってその不安定さを克服しなければならない作用を もたらすからです。
摩利の場合は外国との関係を表す第9ハウスに土星があります。
それは日本人の父と、ドイツ人の母の間に、ドイツ人の風貌を強く持って生まれ、 その容姿ゆえに明治末期の日本で物心つく前から差別を受けて、 その逆境を乗り越えるために、子供の頃から何事にもがむしゃらにがんばったことを あらわしています。
しかも、摩利の土星は天秤座を運行していますから、他人との関係において バランスをとる意識的努力が、殊のほか必要だったことを示しています。
そんな努力を重ねた末に、摩利は人の心につうじていて、なんでも心得ている高校生に なったのでしょう。

土星は、結果として“人生において無茶をさせない”選択をもたらすことにはなるのですが、 やはり抑圧の星です。
その土星が、金星と90度の角度を作っています。90度を作っている惑星は 相手の働きを否定します。ですから、摩利の金星は土星によって作用を 停止します。
つまり、摩利の恋心は常識とか、自責の念などから発する自制心に しっかりコントロールされる わけです。(註5)
紫乃が“鉄の自制心”と驚嘆した摩利の潔癖さがあらわれています。
父親からの恋愛への干渉や、家督相続の義務なども土星の暗示するところです。
(註5)第9ハウスの土星は常識による束縛の意味がある



5,新吾のホロスコープ
1894年3月27日(火) 午前11時45分 東京生まれ
[ 解説 ]

* アセンダントは蟹座 *

とにかく新吾はよく泣く。摩利に「べそかき新吾」と愛情たっぷりに揶揄されるくらい。
新吾は他人のことで、泣き、怒り、感動する。つまり、理屈抜きの感性の部分で、 誰に対しても無邪気に共感できる能力を生まれながらに持っている。
また、生徒ばかりでなく、教授たちまでも含めてまわりの人間が つい声をかけたくなるような親しみやすさ…。 これは、もう説明の余地なくそのままアセンダント蟹座です。

本人は無自覚ながら、情緒の部分で他人を受け止め、情緒で応えようとするのも、 蟹座・水の星座をアセンダントに持っている新吾らしい。

新吾の家出事件解決後の夏休み明けに、“同棲問題”でお神酒徳利がつるし上げられた時、 摩利が知性でクールにさばこうとしたのに対して、新吾が知性や理性を通り越した 説明(とも言えないような発言)で全校生徒を納得させてしまうくだりは、 アセンダント蟹座の祝福を受けて生まれた者の面目躍如たる一幕です。
なお、新吾のようにアセンダント蟹座と、M.C.牡羊座(註6)の 組み合わせは親しみやすく子供っぽい雰囲気の人が多い感じがします。
(註6) 天頂のこと。黄道と子午線の交点。Midum Coeliの略


* 第10ハウスの太陽、第7ハウスの火星、第11ハウスの木星 *

太陽を頂点に火星と木星が、やや不正確ながら頂角120度、底角30度の二等辺三角形 (レッサートライン)を作って、新吾の努力が努力以上に成果を上げる 配置となっています。
これは、3つの惑星がそれぞれのハウスでお互いに良い刺激を与えながら 連動してゆくことを意味しています。ただし、あくまで本人の努力が必要 です。

新吾が、持堂院の3年は期末試験放棄のため落第、つまり卒業不可を承知の上で 帝大受験に望んだ時、アルバイトをしながらという大きなハンディを負いながらも、 食事中も参考書を手放さず読み続け、箸と鉛筆を間違えても気が付かないくらいの 常人ばなれした集中力を発揮して、奇跡とも言える合格を果たしたのは、まさに、 このレッサートラインの象意です。


摩利と同様に太陽が第10ハウスにあるので、職業選択において父親の影響が 大きかったことを示しています。実際、新吾は父・隼人の後を継ぐべく医学を 志したわけですから。
牡羊座の太陽新しい分野への興味を意味して、 第10ハウスにあれば当然、その方面で社会的にも業績を 上げることに意欲を持ちます。
新吾が欧州留学の時に、当時、日本では学べなかった西洋医学のあらゆる学科を 選択できるだけ抱え込んだのは、単に、失恋の痛手を忘れたいがためでは なかったことが読み取れます。

この太陽にやる気を与えるのが、第7ハウスの情熱とファイトの星・火星です。
第7ハウス契約のように対向的な人間関係を意味します。 新吾が、摩利がハラハラするくらいの底抜けのお人好しでありながら、 勉強やスポーツでのライバル関係や、摩利をおとしめる他人に対して、 非常にアグレッシブになるのはこの火星の作用によります。
しかし、新吾にとって、この火星は太陽と良い影響を与え合う角度なので、 単純な好戦性とはならず、負けず嫌いな性格として成績、戦績、 入試の結果など、新吾の人生の実績作りに欠かせない要素になっています。

また、新吾の火星は、利害を超えた友人関係をつかさどる第11ハウスの 木星とは僥倖を意味する120度になっていますから、新吾の並みならぬ学業や仕事への 情熱が、社会的に有能な人たちとの友情を育む結果となります。

第11ハウス牡牛座が回っているので、そこにある木星は、 新吾にとりわけ裕福な友人からの援助や良い影響を与えます。 それが新吾本人の努力とあいまって、木星とほぼ60度になる第10ハウスの太陽が 意味する社会的な成功つながってゆきます。(註7)
(註7)
もともと、牡牛座に木星のある人は、本人はのんびりしていても 生活が成り立ってゆく傾向があります

* 第4ハウスの土星 *

家庭運である第4ハウス土星が働くので、 厳格な家庭であったことが伺われます。
新吾が代々の御殿医の家系で、 物心つく前から印南家の嗣子として祖父、父、叔父、書生たちから、 文武両道でびしびしと鍛えられていたことのあらわれです。(註8)

(註8) 土星は伝統的なものを暗示する
本来なら、土星が第4ハウスにあると常に家庭内でも緊張を強いられて 寒々とした家庭になりやすい。 けれども、新吾の場合は天秤座を運行する土星なので、 家族同士の交流がスムースで調和的な人間関係が保て、新吾の個性も 尊重されたと思われます。
また、土星愛情の星・金星と120度で調和しているので、 新吾は厳格な躾にも肉親からの愛情を存分に感じて、 家庭を非常に居心地の良いところと思って、土星の抑圧にも萎縮することなくのびのびと 育ったのでしょう。

その結果、厳格な家庭生活の緊張感が、新吾にとっては躾のよさとして身に付いて、 “素直でりりしく礼儀正しい日本少年”が誕生したといえます。



6,ふたりのホロスコープを重ねると

外側が摩利、内側が新吾です


[ 解説 ]

* 太陽同士の組み合わせ *



ホロスコープで太陽は、自分の意志をあらわします。
摩利と新吾のように120度で調和していると お互いの考えていることが、心地よく理解しあえます。
しかも、ともに父親の影響を強く受ける第10ハウスにある太陽なので、 摩利も新吾も、父親同士が親友だったことを誇らしく思っていて、 その共感が、成人後、日本と欧州に離れて暮らしても、無二の親友であることに 変わりがなかった二人の原点であったことがわかります。

* 太陽と月の組み合わせ *


太陽自分の意志で雄々しく進もうと言う時の方向性をあらわすのに対して、 感情気分理性や知性の抑えがきかない本音の部分を あらわします。
そして、相性を見る時の太陽と月は、 月が太陽に惚れ込む関係にあります。

摩利と新吾の太陽、月の位置関係を整理してみましょう。
二人のホロスコープを重ねた二重円の参考角度では、 摩利の月は獅子座5度となっていますが、 前出の摩利のホロスコープをご覧いただけるとお分かりのように、 正確には獅子座5.58度になります。(註8)
対して、新吾の月射手座の11.53度

(註8) 通常、ホロスコープ上では端数切り捨てで表記する。
新吾の太陽牡羊座6.26度ですから、摩利の月とは 誤差1度以内で、即ちイグザクトで120度を形成します。

もう、運命の相手以外のなにものでもありませんね、摩利にとって新吾は。
特に対等な立場に立つ人間関係を意味する第7ハウス (註10)にある 月(感情を意味する)ですから、人生のパートナーとして情緒的かつ直感的に 惚れ込んでしまう相手をあらわします。
それが新吾の太陽ときっちり120度で調和してしまったのですから、逃れる術はないでしょう。
生後数ヶ月からの付き合いの中で、親友として時にはライバルとして、 楽しく取っ組み合いのけんかをしながら育ってきたら、摩利が新吾を誰にも渡したくない 気持ちになって当然です。月は子どもの頃に甘やかしてもらったわがままな自分の姿を 象徴しますから。
(註10)
第7ハウスは結婚運をあらわすといわれますが、このハウスが作用するのは あくまで対等な人間関係を前提としています。依存的な人間関係による結婚であれば 第4ハウスの管轄になります。
ところが、射手座6.4度にある摩利の太陽に対して、新吾の月射手座11.53度ですから同じ射手座にあると言っても5度以上の誤差があります。

もし、新吾の月と摩利の太陽の誤差が2度以内であれば、新吾も摩利以外の相手は 目に入らないくらいの情緒的密着度があったことでしょう。むしろ、新吾の方が 独占欲が強く働いたはずです。
けれども誤差が5度ともなると、通常の人間関係であれば充分気心知れた、心地の良い 人間関係となるのですが、運命の相手と言いきれるだけの要素にはなりません。
ただ、摩利と新吾はそれぞれの月同士もほぼ120度となっていますから、 本音やわがままをむき出しにしてぶつけ合って ゆくことに、お互いに安心感と充足感をおぼえる関係になっています。

* アセンダントの組み合わせ *


摩利と新吾のアセンダントは、ほぼ180度になっています。 これが、摩利と新吾の運命的な人間関係を生まれながらに決定付けた大きな要素です。

もっとも、一昔前の占星術だと180度は緊張関係を生み出す角度として“凶角”と 言いきっていました。
しかし、120度とか60度のように心地よいだけの関係ばかりだと、人間関係が固定化して 発展性を失い、結果として二人の間が続かなくなる傾向があります。
恋愛関係でいうと、別にお互いに嫌いになったわけではないけど、マンネリ化しての別れたなどと 言うパターンですね。
発展的に続いて行く人間関係のホロスコープを見ていると、心地よい部分と緊張感を 生み出す部分の取り合わせがうまく出来ています。 摩利と新吾のホロスコープは見事に、このパターンです。

に対する二人の対照的な対処の仕方がとても象徴的です。 摩利は、一見、篝に同情しているような風を装いながら、新吾と自分の今後の 人間関係の展開をも視野に入れつつ、目前の現実にきわめて冷徹な理性で対処してます。
もっとも、新吾への恋愛感情にからむ時には、上昇星・金星が突っ走るので アセンダント山羊座冷静さも形無しですが。
それに比べて、正面から人の感情を受け止めてしまうのがアセンダント蟹座。 損得計算抜きに篝への同情と感情移入のままに、 新吾は、引き受ける理由のない汚れ役を一身に受けてしまうわけですね。

摩利も新吾も、お互いに自分にないものを相手が持っていることを良く分かっていて、 互いの正反対な部分が補完しあっていることにも気付いています。
「追いこされるか また ひき離すか… デットヒートだな」と夢殿にいわれるように、 或いは「勝負はこれからだ ここまできておいぬかれてたまるか !!」と摩利が独白するように、 摩利と新吾が切磋琢磨によってお互いを高めてゆけるのは、基本的に120度や60度の ソフトアスペクトが多い関係の中で、 180度を形成するアセンダントがもたらす緊張感があってのことです。

(1999.6.30 up)

著作権法32条に因り画像を掲載しています
摩利と新吾のホロスコープを作りたい(1)

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