|
初版2001年6月10日 |
岩を枕に星を抱き
(小学館文庫)
ISBN4-09-191192-2
[ 収録作品 ]
お山を舞台にしたロマ・コメ3部作。
黒髪のジョサイア、金髪のアストバリー兄弟になんとなく新吾と摩利の面影を重ねてしまったり。
いえ、あくまで“面影”だけです。
- 岩を枕に星を抱き
初出 1989年 ASUKA 4月号
-
アルペンガイドだった両親をなくしたマーゴが、ヒースロー空港に着くところから
このシリーズの始まり。
右手に霧の乳を飲み 左に大地の息吹を汲んで・・・
モンブランを見渡すフランス・アルプス、シャモニーが見せ場です。
-
氷神のやさしい腕
初出 1989年 ASUKA 12月号
-
吹雪きと見まごうほどのりんごの花びらの乱舞。
「ここはスカンジナビア山脈の いったい どのへんなんだろう !?」 「ここはノルーンよ」
アストバリーと張り合える異境の地のお嬢さまテューラ。二人とも命令文しか話さないんだから。
-
SNOWY MOUNTAIN (スノウィ マウンテン)
初出 1990年 ASUKA 5月号
- タイトルそのままヒマラヤです。ヒマラヤと言えばイエティと呼ばれる雪男。
イエティを捜しに行くのだから、アストバリーはちゃあんとムーミン柄のセーターを着ています。
-
薔薇の木に薔薇の花咲く
初出 1985年 LALA 3月号
-
DOZI作品にしては珍しくUSAが舞台。
オリンポスの聖火のような赤毛の娘はきっぱりファザコン。
かたやマザコンのジンジャーボーイ。
「なにしろ主演女優は演技力はゼロだが バストは98だ ついでに監督はアル中で 脚本家は誇大妄想狂の……」と、
ロケーション・マネージャーのお父さんがいい味出しています。
- 〔開設者註〕
- 初版P272の2段目のジンジャーの「その… 走ってもいいけど」と言う台詞は、「その… 歩いてもいいけど」の間違えではないかと思うのですが…?
(角川全集24のP334では「歩いても」になっています)
-
深き陽炎の森から(ふかきかげろうのもりから)
初出 1982年 プチフラワー 5月号
- 翳があって美形で屈折していて、と完璧な少女漫画の主役・忍くん。
彼のパトロンは金髪の米国紳士ロイヤル・ハイネス。
ロイヤル・ハイネスって英国皇太子の称号なのに何故?と思いきや、ピンク色の薔薇にそんな品種がありました。
鮫ヶ井 椿氏は『花草紙』『王子さまがいいの!』の椿比古系列の顔立ちだったり、モブシーンに縞りんごキャラがまぎれていたり、シリアスな話の中にDOZI様の遊び心が光っています。
-
エッセイ 花井愛子
(2001.5.22up)