|
|
|
初版 2001年6月10日 |
ダイヤモンド
ゥ
ゴジラーン
(秋田文庫)
ISBN4-253-17668-2
[ 収録作品 ]
アングルことアングレアヌ・サフォラン主演シリーズ、一挙全5作収蔵です。
1990年6月の角川木原敏江全集9巻以来の快挙!
文庫では一冊にまとまらないかもしれないと密かに危惧していただけに嬉しさひとしおです。
- もう森へなんかいかない
初出 月刊セブンティーン 1976年11月号
-
欧州一の名門大学の教授にして、売れっ子作家にして、クールビュティーの代名詞のアングレアヌが、「さすがのわたしもそろそろ限度ギリギリ」になって、講じた窮余の一策。
そして、狙われたのは下町育ちのルミィ。
『摩利と新吾』に登場する江戸っ子、下町言葉ちゃきちゃきの「ルミィこと留 三衣(とどめ みつぎぬ)くん」のパラレルワールド、ではありませぬが。
-
薔薇あど(ばらあど)
初出 月刊セブンティーン 1977年6月号
-
わけあって女性と付き合えない好青年と、わけあって結婚を考えられないご令嬢が“紹介”されたら…、
そりゃ、めでたしめでたしの共同戦線になりますわ。
DOZI作品に登場するご令嬢は“お人形さん”ではありませぬ。
かくして、「わけ」の深さが、そのまま劇的なロマンスを展開。
ゲスト出演の鴨さん、大画伯のベレー帽がかわゆい!
作品冒頭、アングルに両手いっぱいの赤い薔薇を売りつけたヴィことヴィオルは以後、このシリーズのレギュラーキャラになって大活躍。
ダイヤモンド
ゥ
ゴジラーン
初出 月刊セブンティーン 1979年12月号
-
アフリカに冒険旅行中、プロペラ機が乱気流であえなく墜落。暗転の後、アングルとヴィが出会ったのは恐竜?
いえいえ、彼こそ桃源郷(シャングリラ)の用心棒、ダイヤモンドゥゴジラーン。
ボウイも真っ青な虹色の髪の美少女、アフリカの大平原を疾走するゴジラーン、しっちゃかコメディまっしぐらかと思わせて、実は純愛ロマンです。
緑のエリオット
初出 月刊セブンティーン 1981年9月号
-
イングランド北部、キーツやワーズワースが愛でた湖水地帯でアングルとヴィのバカンスは、浮世のしがらみにからめとられて、締め切りに追われる軟禁生活に様変わり中。
USAから来たハイブリッドの美女エリオットは、トーマス・マンの『トニオ・クレーゲル』は大きらいだけど、アングルとは“迷路の同志”。
多分、ヴィとも。
煌のロンド(きらのろんど)
初出 ぶ〜けセレクション 1983年1月号
-
天涯孤独と思っていたヴィに肉親があった?
金髪の美女を追って、オーストリーの山奥の「風の城(シュロス・ヴィント)」へ。
ネタバレになるからここには意味を書かないけれど、冒頭の“奥津城”(おくつき)と言う言葉が、さりげない伏線。
城の中庭での白昼夢と言うにはあまりにあまりな出来事は、もしやオカルト、はたまた出来の悪いSF?
考える間もなく問答無用に事態は進行、どさくさまぎれに「ひらきなおり」の書き文字をしょって、SS相手の銃撃戦。
とにかくメロドラマのヒロインは強し。そうです、これはメロドラマです。
お茶の時間 ペットの条件
書下ろし
解説 森 奈津子
(2001.5.20 up)