初版 2001年2月10日
王子さまがいいの!
(秋田文庫)
ISBN4-253-17607-0
[ 収録作品 ]
王子さまがいいの!
初出 週刊マーガレット1976年 22号 〜 36号
ペルシアの姫ぎみが遠い異国の黒髪の王子さまが欲しいと切に願う。
瀬戸内海には「おいでおいで」呼ぶ波に、思わず異国への憧れに駆り立てられる青年領主がいた。
二人の間に暗躍するのがサファヴィ・コーイヌールのフィリップ。自信家でプレイボーイで政治も軍事も辣腕、自分の思いのままにやりたい放題。おかげで物語がこじれるこじれる。ちゃんと落ちがつくのか、どこまで突っ走るはちゃめちゃ喜劇かとはらはらしていると、最後は
なにしようぞ くすんで
一期は夢よ ただ狂へ
どたばた喜劇をさらっと締めるのは閑吟集、そして私はDOZI作品に根っからの悪人はいないのかなと思いながら本を閉じます。
お茶の時間(回想の条件)
解説 久美沙織
表紙のイラスト
「こでまり」というタイトルで画集『虹の森の鬼』に収録されています。
口絵のイラスト
「Isfahan Draming (イスファハーン ドリーミング)」というタイトルで画集『虹の森の鬼』に収録されています。
ご参考に
(解説より引用)
豪華絢爛痛快娯楽絵巻『王子さまがいいの!』は、昭和51年(1976年)「週刊マーガレット」に連載された。 同じ年、これに先立って、同じ主人公「胡麻の百合太郎」を据えた『花草紙』が五回連載されたあとを受けたかたちである。 (『花草紙』は約二ヶ月後れで秋田文庫に収録される予定。刊行順にこだわるかたは、この一冊を手に入れた上で、いましばしお待ちになられよ)。
開設者註
キャラクターの人間関係が絡み合っているので、
『花草紙』
→
『王子さまがいいの!』
の順でお読みになったほうが、わかりやすいと思います。
(2001.1.12 up / 02.12.19 追記)