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初版1997年8月10日 |
- 花の名の姫君
(秋田文庫)
ISBN4-253-17242-3
[ 収録作品 ]
- 花の名の姫君
初出 1991年 ASUKA 2月号〜5月号
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「私は 私は マンガで歌舞伎作品をかいてみたかったのでござんすわいな」とのDOZIさまの念願成就の第一作は、四世 鶴屋南北「桜姫東文章」 (さくらひめ あずまぶんしょう)からでございます。
桜姫の人生は波乱万丈、歌舞伎ならではの“現実にはありえるはずないよ〜〜〜的”支離滅裂寸前の展開の連続。でも、彼女は、どこか抜けてて、あくまで前向き。しっかり、DOZIキャラ しています。
小道具に散りばめられる刃傷沙汰や、南北お得意の幽霊話も歌舞伎チックに、舞台効果満点、お茶目満載で、最後はほろり。
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わたしが嫌いなお姐様(わたしがきらいなおあねえさま)
初出 1991年 ASUKA 7月号〜8月号
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容楊黛(ようようたい)作 「鏡山旧錦絵」 (かがみやまこきょうのにしきえ)より
江戸時代、とある大名家の奥仕えのお女中衆、女の園に気苦労はつきもの。
しかも、腰元、端女にいたるまで武家の出、町人の出と、身分の立て別けは厳しいは、いじわるなお姐様も、やさしいお姐様も、懐剣が飾りですまず長刀まで振り回す時代。
それでも、目だぬきのDOZIキャラは、いつの世も飛んだり跳ねたりはお手のものなのね。
- 流星
初出 1992年 ASUKA 1月号
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福森喜宇助 (ふくもりのきゅうすけ) 作 「其小唄夢廓」 (そのこうたゆめのよしわら)より
江戸の一大歓楽街、吉原。オアソビですまなくなって起こってしまった悲劇や美談の数々が語り草になるところ。
「遊女だって希望はもつべきよ 商売は商売 恋だって する時にはするわ! 」
美少女・小紫(こむらさき)は、親が残した借金の返済が終わるまで足抜きできない身の上にもめげず、玉の輿を狙って戦っていたはずなのに。
一つ一つ丁寧に描かれた着物の柄も楽しい。竹やぶに集まる雀の柄って、舌きり雀?
- 轟く滝の下で(とどろくたきのしたで)
初出 1992年 ASUKA 6月号
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「雷神不動北山桜」 (なるかみふどうきたやまざくら)より
雲の絶え間姫はエリート中のエリート、宮中に勤める官女ですもの。で、恋敵はお仕事無用のお金持ちのお嬢さま。
そして、二人が熱愛する男性・文屋豊秀が帝から託された使命は、「100日以上続いた日照りを解消すること」
日照りの元凶・鳴神上人の美青年ぶりといい(変身した姿もまたうるわしく)、終幕のアレンジといい、DOZIテイストたっぷりです。
解説 利根川 裕
(2000.10.23 up / 02.07.08 追記)