サン・ジュストといえば フランス革命の時代、ロベスピエールの懐刀として過激に王侯貴族の処刑を進めて、その冷徹さと 美貌故に「死の大天使」と恐れられ、最後には自分も26歳の若さで断頭台の露と消えた美青年。 少女漫画の読者であれば、一度ならずその名を聞いたことがおありかと思いますが、念のため。
1,DOZIさまの作品中『虹の歌』には、サン・ジュストくんが一コマだけ登場しています。
件の「ぱふ」1980年7月号ではP.54で、「断言はできないが、いかにもフィリップらしい顔付き」 と紹介しています。
私としては、『虹の歌』は『天国より愛をこめて』以前の作品なので、このサン・ジュストは フィリップとカウントしません。
が、薄命で、見目うるわしい青年を少女漫画がほおっておくはずがありませぬ〜〜。
で、少女漫画、フランス革命とくれば私の世代はパブロフの犬、『ベルサイユのばら』。ついでに、ちょっと突っ込み。
フィリップに『虹の歌』のサン・ジュストをカウントするくらいなら、『死んでもいい』(註)の マルク・ボランの方が圧倒的にフィリップ指数が高いと思います。
名前から一目瞭然、マーク・ボランのパロディなので髪の毛が黒っぽいのですが、顔立ち、 言葉の言い回し、新入りのからかい方、どれをとってもフィリップ的です。
正直な話、『花ざかりのロマンス』のオディロン・ガブリエルと、このマルク・ボランとどちらを カウントすべきかかなり悩みました。
結論としては、マルク程度のチョイ役で登場するのであれば、フィリップを名乗るであろうと 考えて、オディロンのほうを16面相の一人と判断しのですが。
(註)マーガレットコミックス『あーら わが殿! 後編』および、 角川書店 木原敏江全集12『くれないに燃ゆるとも』に収録2,『ベルばら』でも
サン・ジュストの登場は割と遅いんですね。
マーガレットコミックス6巻ではちらっと 姿を見せるだけ。
全10巻中、色が綺麗で
この表紙は好きでした
ようやく姿をあらわし、ベルナール・シャトレ(カミーユ・デムーランがモデルだ!)が、 彼の自宅でオスカルに紹介するのが7巻です。 (今にして考えると凄い設定ですよねぇ。革命推進派のジャーナリスト、名門大貴族の跡取りお姫様、 革命家の卵が一堂に会するのですから)
ベルナールに紹介されて、平民サン・ジュスト、艶然たる笑みを浮かべて、 いづれは女伯爵(ラ・コンテス)を継ぎ、将軍職に就くのも時間の問題という伯爵令嬢に一言。
「花のサン・ジュストくん なぜかおたずね者」。
この吹き出しの下に、「ドジエサマ提供」と の書き文字が入っています。 そして、サン・ジュストの次の一声が「あは ん」。
もう、コメントなどと野暮なことは致しませぬ。ただ、この事実だけを書いておきます。
ちなみに、ここでサン・ジュストくんがおたずね者になっているのは「オルガン」というエロ本を書いた為です。
06.07.10追記
(当コーナーの「12, 花のサン・ジュストくん と DOZIさまのフランス革命作品 06.07.10」もご参照ください)
3,この際です、いっそ『エースをねらえ!』にも、なだれ込んでしまいましょう。
ポスターから表紙から
いつも同じ色使いで
見分けがつかなかった
全日本選抜メンバーの冬季強化合宿の夜、お布団の中で頬杖をついて寝物語をしてる 尾崎さんの横顔が、何故か『ベルばら』のサン・ジュストに良く似ています。 もちろん、寝物語のお相手は藤堂さんです。 (マーガレットコミックス『エースをねらえ!6』 P.165 参照)
リアルタイム、週刊マーガレットを手にした中学生たちの会話。
「誰かに似ているよね、この尾崎さん。」
「どこかで見たよね」「うん、だれかなぁ?」「ええと…」 「あ!」 「そう、それ!」
そして、みんなで声を合わせてフルネーム、
「ルイ・アントワーヌ・レオン・フロレル・ド・サン・ジュスト!」
そういう時代でありましたよ。
(恥さらしついでに告白します。当時の私は全部フランス語の綴りまで覚えていました)
もしかして、爆弾発言??今回、『ベルばら』を読み直していてふと思ったのですが、オスカルの目をまつげを 塗りつぶすように隈取りしたら、春日 夢殿の目になるんじゃあないかなぁ…。 7巻のP.124とかP.143あたり、いかがなものでしょう? 眉は違うけど。 あ、オスカルファンの皆様方、お許しください。 (個人的に私は夢殿、好きです)