いきなりのストレートが入ってます!様子伺いの私は軽めのジャブからいかせていただきます。
私の気になる秀子さん。夢殿さんが日本に帰国して「ずいぶん長い間待たせてしまったな」と言った時、殆ど忘れていた私は「この人まだ待ってたんだ」と叫んでしまいました。勿論、当時のご令嬢には「待つ」以外手だてがなかったでしょうし、夢殿さんはそれだけの価値がある男性だと思います。お互い会うか会わないかで決まったようなお話だったでしょうから、相手が夢殿さんなんて秀子さんは非常にラッキーだとも私は思っております。
でも、長かったでしょうねえ、足掛け6年。秀子さんは知らないけど、出発前に夢殿さんは結婚を「わずらわしい」と思っているし、だいたい結婚自体、留学との交換条件、それも恋人を追っていく留学、その上途中で戦争になって全然帰ってこない。純粋に彼を待っていた秀子さんは心配しながら毎月お手紙を書いたでしょう。それに対して夢殿さんは、摩利にメジャーに迫りつつもちゃんと無難なお返事を書いていたんでしょうか。
帰国した夢殿さんに「ありがとう」と言われて、秀子さんは報われたと思います。ちょっと年とっちゃいましたけど。落ち着いた人ですから、万が一夢殿さんの「嗜好」に気づいても、慌てず騒がずでいられそう。何にもわかっていない人といえばそれまでですが、夢殿さんの摩利への気持ちを理解する登場人物が多い中、夢殿さんを縛る「現実」、家、社会的地位など、彼が摩利をとことん追っかけられない部分を表す数少ないキャラだと思います。
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